うに

祭ばやしが聞こえる(紙ジャケット仕様)
本日も、大野克夫リスペクト。


一昨年の3月に初リイシューでCD化された
1977年のTVドラマ「祭りばやしが聞こえる」の
サウンドトラックは、大野克夫氏の作品中
非常にソウル・フュージョン寄りな作品であります。


番組主題歌「祭りばやしが聞こえる」は、
大野克夫氏が最初から柳ジョージのボーカルを想定して
作った曲であり、実際に彼のボーカル入りで録音され
シングルにもなりましたが、
それと同時に主題歌の別アレンジのインストも多数
録音され、番組のBGMとして使用されます。
主題歌は和モノソウルの名曲だなんて言われてますね。


なんと言っても、めちゃくちゃ素晴らしい主題歌が
土台にあるから、その別アレンジのBGMも当然イイ訳です。
同年に沢田研二の「勝手にしやがれ」を作曲してた
とはとても思えないくらい洋楽的なサウンドというか
メロウさというか、いい意味でブレまくってます。
まさに音楽的引出しの多さとセンスの良さを
感じずにはいられません。


大野克夫氏は、歌謡曲歌手向けの商業的なものと
カウンターカルチャー的なものとで
作品的にも線引きしていたんじゃないかと思います。
実際、あまり商業的に制約を受けない
サントラや自分自身のアルバムなんかでは、
本当にやりたい音楽をやってるんですよね。
やはり旬の洋楽のサウンドや曲調には敏感だったのでしょうし、
実験的なことだってやりたいでしょうし。


このサウンドトラックは、2つの曲を軸にして
そのバリエーション的に別アレンジで録音
したインストものが12曲収録されています。
その軸となる2曲のうち1曲が主題歌であります。
軸となる2曲がどちらも素晴らしいもんですから
アレンジを変えて同じ素晴らしい曲を延々と
聴いていられるなんてシアワセこの上ありません。


最近ではこのアルバムも和モノ・レアグルーヴとして
評価されているようですが、
特にロニー・マクネイアー的なアレンジの曲を
聴いて妙に納得しました。


演奏はNadjaバンドという萩原健一のバックバンドなのですが、
メンバーが謎です。おそらく井上尭之バンド関係の
ミュージシャンが参加してるのでしょうけど、
もしかしたら、同じ1977年に発表された
大野克夫氏のソロ・インスト・アルバム「FREE WAYS」
のメンツと同じかも。


ショーケンも、自分のドラマの音楽担当に大野克夫氏を
採用し(太陽にほえろ!からずっとこのパターンだけど)、
主題曲のボーカルに柳ジョージを推薦しただけあって
かなり思い入れが強い曲なのでしょう。
自分のライブでもカバーしてるようです。
これは、そのリハの模様。
しかし、歌うまいなぁ〜。