George Benson / Breezin' (1976年)

このCDを買った時のことをよく憶えている。大貫妙子の『サンシャワー』のCDと一緒に買い、浪人時代の昼下がり、部屋で寝転びながら屋外に漏れくらいの大音量で聴いた。「Breezin'」のキャッチーなギターリフと、「Summer Connection」の松木恒秀のギター・オブリは、私の中では1セットになっている。これらの開放的なサウンドは、孤独な浪人生活から逃避できるものだった。孤独な故に、屋外に漏らした音で見知らぬ第三者と素敵な音楽を共有したかったのであろう。
日本語ライナーノーツは穴の空くくらい繰り返し読んだ。ボビー・ウーマックフィル・アップチャーチホセ・フェリシアーノ、ロニー・フォスター、ハーヴィー・メイソン、アル・シュミット、そしてトミー・リピューマといった、今でも私にとっては重要なアーティストやミュージシャンを知るきっかけとなったアルバムでもある。