山下達郎 / Go Ahead ! (1978年)

転換のきっかけとなった4th。タツローのコンテンポラリーなブラック・ミュージックに対する造旨の深さが、ディスコブームと結びつき花開いた結果となる。彼の作り出すファンク/ダンス・ミュージックは、複数のリズム・パターンを組み合わせる、わかりやすい程の公倍数的アレンジ。これを、上原裕、田中章弘、難波弘之椎名和夫といった気心の知れたミュージシャン達に料理されて、人間的で絶妙なグルーヴが生れる。美し過ぎる「2000トンの雨」や、トッド・ラングレン的な「潮騒」、MFQのカバー「This Could Be The Night」といった曲は、タツローが本来持つ趣味の良い「ポップスおたく」的な部分。