井上尭之バンド / 悪魔のようなあいつ・寺内貫太郎一家 (1975年)

私にとって今までで一番に高価な買い物のアルバム(CD)。「太陽にほえろ!」のサントラのCDリイシューが始まった時(1991年)に、同じシリーズでこのアルバムもリイシューされていたのだった。私は「太陽にほえろ!」のCDにしか注目せず、「太陽にほえろ!」と同じ井上尭之バンドの演奏だというのにこのアルバムの存在には全く気が付かなかった。そして気が付いた時(3年前)は既に入手困難な状態。当時ヤフオクで検索してみたら出品されていたので、早速入札したところあらよあらよと値段が高騰し、結局約1万円で私が落札するハメに(^^;)。マニア同士のし烈な争いを展開したわけである。

アナログで発売された当時は、A面が『悪魔のようなあいつ』のサントラ9曲、B面が『寺内貫太郎一家』のサントラ12曲といった構成。ベースの岸部修三岸部一徳)とドラムの田中清司が在籍していた当時の井上尭之バンドのサウンドとしては、『傷だらけの天使』のサントラと並ぶ最高の部類。実際にTVドラマの方は見た事ないのにも関わらず、サウンドを聴いただけでも断言できる。サントラ云々という以前に、日本のロック/ポップスの知られざる名盤と言いたいくらい。

太陽にほえろ!」風なサウンドを期待するなら、『悪魔のようなあいつ』の方では、70年代ブラックシネマ風あるいはジャズ/クロスオーバー風なサウンドの2曲目「男達の夢」、艶のあるメロディーラインと和音進行の6曲目「モーホーのテーマ」。『寺内貫太郎一家』の方では、大野克夫ハモンドオルガンが唸るファンキー・ロック風の10曲目「ケンカのテーマ」。今聴くと、『寺内貫太郎一家』の方は、女性スキャットが入っていたりして、かなりモンドだな。