豊島区西巣鴨町

JR埼京線板橋駅東口改札から西巣鴨方面へ歩く。地図を持っていなかったので、道中の所々にある大正大学への道案内板を頼りに板橋区滝野川の住宅街を進む。ようやく明治通りに差しかかった所で、少し古臭い鉄筋建物が奥の方に見えた。昭和30年代後期に建てられた某都営アパートである。後から地図を見て気が付いたのだが、都電荒川線の庚申塚電停や都営地下鉄三田線西巣鴨駅からの方が近かった(^^;。その某都営アパートの場所は、以前は府営アパート、その以前は木造不良住宅の密集する貧民窟(スラム)であったようだ。貧民窟の名残は、昭和初期に行われた府営アパート建設という名目のスラム・クリアランスで既になくなっていると思われるが、当時としては同潤会アパートのような近代的な鉄筋建築であった府営アパートの遺構が残っているのではないかと、かすかな期待を持って訪れたが結局は見つけられなかった。何棟かあったうちの一番最後に取り壊されたと思われる府営アパートの建物のあった場所は、公園と化していた。この某都営アパートの周辺は住宅密集地帯であり、戦災焼失を免れたかのような木造家屋や、戦後の昭和20年代に建てられたかのような木造家屋も多く見かける。そして近くを通る旧中山道沿いには、庚申塚商栄会という庶民的な商店街があり、旧道沿いならではの古い木造建築の商店が軒を連ねる一角も多く見かける。この旧道を少し先に進み、庚申塚の踏切を越えると「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨地蔵通り商店街にさしかかる。