写真で見る関東大震災

という文庫本を買う。とにかく凄まじい写真ばかりである。現在の東京都墨田区横網公園は昔、陸軍被服廠跡の広大な空地があり、そこへ避難したはずである4万人の焼死体の山。そして遊郭である吉原「弁天池」に飛び込んだ遊女の死体の山。地獄絵図であり、関東大震災を象徴する写真でもある。特に被害の大きかった東京の下町は、木造建築が密集しており、さらに折からの強風のため火の回りも早く、避難の時に持ち出した家財道具にも飛び火し、あっという間に被服廠跡の避難民を焼き尽くしたとのこと。また吉原といった遊郭は、遊女の逃亡防止のために以前から遊郭一帯には川や塀がめぐらしてあったのでろくに避難できず、遊郭内にあった池に争うようにして飛び込んだものの、周辺の火で池は熱湯と化していたそうだ。当然溺れ死ぬ。